ニューヨーク証券取引所に上場し、取引開始のベルを鳴らすLINEのシン・ジュンホ取締役(中央)ら=時事
スマートフォン向けに対話アプリを提供するLINE(ライン)が14日、ニューヨーク証券取引所(NYSE)に株式を上場した。初値は42ドル(約4450円)で、売り出し価格の32・84ドル(約3480円)を約28%上回った。米国でのIT企業の上場では、2014年の中国のネット通販最大手アリババグループ以来の大型上場とされる。
LINEは15日に東京証券取引所第1部に上場する予定で、日米でほぼ同時の株式上場を果たす。日本では、今年最大の新規上場案件になる見込みだ。シン・ジュンホ取締役は米テレビのインタビューで「タイミングは完璧で、信じられない」と喜びをあらわにした。
LINEは韓国IT(情報技術)大手、ネイバーの子会社。対話アプリLINEが日本やアジアを中心に人気を集め、利用者数は世界で2億人を超える。アプリの人気で急成長したが、上場による資金調達で、アジアなどでの事業展開をさらに広げることを狙う。
日本からの大型上場は久しぶりで、米国でも注目を集めている。米ウォールストリート・ジャーナル紙は、「LINEって何?」と題した動画付きの記事を掲載。LINEになじみのない米国人に、LINE特有の「スタンプ」を使ったサービスなどを紹介した。一方で、「日本や台湾などの中核市場以外の拡大には苦戦している」「米国ではまだ大きな存在感はない」として、「株式公開で状況が変わるかもしれない」と指摘した。(ワシントン=五十嵐大介)