植松容疑者の動きと屋外に設置された防犯カメラの向き
相模原市緑区の障害者施設「津久井やまゆり園」で入所者19人が死亡した事件で、神奈川県警の助言を受けて園が設置した16台の防犯カメラは、結果的に事件を防ぐことはできなかった。カメラの映像は記録ができるほか、リアルタイムでの確認も可能だったが、園は常に映像を監視する態勢を取っていなかった。
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園を運営する社会福祉法人「かながわ共同会」などによると、殺人容疑で送検された元職員の植松聖(さとし)容疑者(26)は在職していた2月、入所者に危害を加えるという趣旨の発言を繰り返すようになった。「他人を傷つける恐れがある」として措置入院したが、3月2日に退院。園の近くで目撃されたため、園は津久井署に相談した。署からカメラ設置の提案を受け、台数や位置、角度についても助言されたという。
園は4月26日から屋外を監視するためのカメラ10台と、建物内に設けたカメラ6台の運用を始めたが、映像を記録するだけだった。事件後に記者会見した入倉かおる園長は「もともとリアルタイムで張り付いて監視というのは考えていなかった」と話した。植松容疑者を警戒してカメラを設置したものの、そうした事情は入所者の家族や県には説明していなかったという。
県警のこれまでの調べでは、今…