開会式のリハーサルで行進する選手たち=越田省吾撮影
第98回全国高校野球選手権大会(朝日新聞社、日本高校野球連盟主催、毎日新聞社後援、阪神甲子園球場特別協力)は7日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で開幕する。開会式は午前9時からで、市尼崎(兵庫)の前田大輝(ひろき)主将が選手宣誓をする。午前10時半からの開幕試合では2年ぶり7回目出場の佐久長聖と5年連続出場の鳴門が対戦。全国3874校の頂点をかけた戦いが始まる。開門は同7時。
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■強豪校を破るのは
一見、強豪校が適度に散らばった初戦の組み合わせに見える。だが、優勝候補に挙がる横浜、履正社、東邦が勝ち上がると2回戦でぶつかる可能性がある。毎試合後に行われる次戦への抽選からも目が離せない。
加えて、この3校の初戦の相手は実力校ぞろい。右の藤平、左の石川と剛腕2人がおり、地方大会で出場校中最多14本塁打を放っている横浜は、春の東北大会王者・東北とぶつかる。抽選会でもっとも会場が沸いたカードだ。鍵を握るのは変則フォームで投げる東北の左腕渡辺か。球速は135キロ前後だが、腕の出どころが見えにくい。横浜打線でもタイミングを合わせるには苦労しそうだ。
寺島、山口とプロ注目の左腕を擁する履正社は、こちらも好左腕の山野がいる高川学園と戦う。藤嶋が引っ張る東邦は、敦賀気比を筆頭に全国でも好結果を出している福井県を勝ち抜いた北陸だ。
秀岳館が第6日に対する常葉菊川戦は初戦屈指の好カード。ともにチーム打率は4割超。フルスイングが身上の常葉菊川打線と、選抜大会でも話題となった秀岳館のノーステップ打法がぶつかる。埼玉大会を圧巻の投球で勝ち抜いた高橋昂の花咲徳栄は第4日に初出場の大曲工と対戦する。最後の夏の初戦にどんな投球を見せるのか、楽しみだ。
史上8校目の春夏連覇を目指す智弁学園の最初の関門は、初の甲子園出場となった出雲。経験値では差があるが、粘り強さなら出雲も負けていない。開幕日の緊張感を味方につけられるか。高校通算42本塁打で「京都のドカベン」と称される石原が4番を打つ京都翔英と、浜屋、畠中の好左腕2人を擁する樟南は好対照のチームカラーだ。
このほか近江―常総学院、関東一―広島新庄、八王子―日南学園なども好試合が予想される。初出場の松山聖陵と最多37回目出場の北海の一戦も見ものだ。(有田憲一)