永瀬を支えてきた母小由利さん(中央)=ブラジル・リオデジャネイロ、山本亮介撮影
柔道男子81キロ級の永瀬貴規(22)は3位決定戦で最後まで攻めきり、銅メダルを獲得した。観客席では母小由利(さゆり)さんが「集中、集中!」と大きな声援を送り続けた。
リオオリンピック
「金の最有力」永瀬に硬さ 敗者復活はリズム取り戻し銅
【タイムライン】第5日のまとめ読み
柔道を始めたのは6歳。通った長崎大教育学部付属の小中学校には柔道部がなかった。小由利さんは道場を探し、中学時代は放課後、毎日のように車で学校から道場まで連れて行った。朝食は手作りヨーグルトと果物、試合前はカツ丼で送り出した。
永瀬が実力を伸ばしたのは高校時代。指導した長崎日大高校柔道部顧問の松本太一さん(36)は「中学までのびのび柔道をしたおかげで、ぐっと伸びた。お母さんのバックアップも熱心だった」と話す。
親子にとって初めての五輪。前日、小由利さんがLINEで「頑張って」とメッセージを送ると、親指を立てたイラストのスタンプが返ってきた。2人が目指したメダルの色ではなかったが、小由利さんは「小さい時にはオリンピックなんて夢にも思わなかった。よくここまで来た」と目を赤くして笑った。(山本亮介)