銀メダルを手にポーズを取るレスリング男子グレコローマンスタイル59キロ級の太田忍=リオデジャネイロ、永島学撮影
レスリング男子グレコローマンスタイル59キロ級で銀メダルに輝いた太田忍(22)。その成長を支えた一人が山口県柳井市でレスリングを教える「斎藤道場」の勝村靖夫代表(74)だ。才能を見初め、青森から柳井に誘って指導し、花開かせた。愛(まな)弟子の活躍を現地で見届け喜んだ。
太田「忍者レスラーと覚えて」
世界を驚かせたニンジャレスラー
勝村さんは1966年のレスリング世界選手権で準優勝。72年から青森県の八戸工大でレスリング部監督を務め、子ども向けレスリング教室も開いた。そこで当時小学1年の太田と出会う。スパーリングですばしっこく動く姿を見て「運動神経が抜群。天才的だ」と感じた。
レスリングを好きになってほしい――。その思いから、指導中は声を荒らげないように心がけた。小学4年のとき、太田は「勝村先生が怒った顔を見たことがありません。笑っている先生が大好きです」との作文を書いた。
その頃、勝村さんはかつてレス…