女子フリーの演技を終えた樋口新葉=時事
(4日、フィギュアスケート・中国杯女子フリー)
フィギュア特集 Kiss and Cry
絶対に負けられない――。女子フリーで、東京・日本橋女学館高校2年の樋口新葉は自らに重圧をかけ続けた。そして、打ち勝った。「練習してきたことは全部出し切れた」。目標のSP70点以上、フリー140点以上を達成し、成績上位6人による12月のGPファイナル(名古屋)に望みをつないだ。
平昌(ピョンチャン)五輪シーズンの勝負曲に選んだ映画「007」の世界観を演じきった。前半と後半に1回ずつ組み込んだ3回転ルッツ―3回転トーループの2連続ジャンプは、ともに出来栄えで加点がついた。演技構成点も5要素全てで8点台をマーク。「プログラムが自分のものになりつつある」という自信も出てきた。
2枠ある平昌五輪代表を争う兵庫・芦屋高校3年の三原舞依と大阪・関大高校1年の本田真凜との直接対決も制し、一歩リードした。だが、シニア1年目の15歳でSP4位のザギトワに合計点で1・36点届かず、優勝は逃した。「本当に、本当に悔しい」。演技後半のステップでレベルを取りこぼすなど、細かいミスも出た。
3年前の全日本選手権で、2004年の浅田真央以来となる中学2年での表彰台(3位)に立ち、注目を浴びた。シニア1年目の昨季は、挫折も味わった。「とにかく平昌五輪に行きたい。もっと点数を伸ばせる」(前田大輔)