防衛省は31日、2017年度予算案の概算要求を公表した。過去最大の5兆1685億円(今年度当初予算比2・3%増)で、要求増は5年連続。北朝鮮の弾道ミサイルへの迎撃態勢強化と、東シナ海で海洋進出を強める中国軍を念頭に、離島防衛力の向上に力を入れるのが特徴だ。
ミサイル防衛では、海上自衛隊のイージス艦に搭載する迎撃ミサイルの改良型「SM3ブロック2A」の導入に147億円を計上。海上発射試験を経て生産、購入の段階に入る。地対空誘導弾パトリオット3(PAC3)の迎撃範囲を約2倍にする改修に、1056億円を盛り込んだ。
中国軍機の活動が活発化する南西諸島の防空能力向上も図る。車両搭載型の地対空ミサイル「03式中距離地対空誘導弾」の改良型を導入するために177億円を計上。20年度に沖縄本島の陸上自衛隊部隊に配備する計画だ。
対潜能力の向上を図るため、最新鋭潜水艦「そうりゅう型」に続く新型潜水艦1隻(760億円)を建造。最先端の音波探知技術を採用し、そうりゅう型の性能を上回る見通し。
新型輸送機オスプレイは4機(393億円)を買う予定で、計画する全17機体制まで残り4機とした。