港へ向かうバスに乗り込む避難訓練の参加者ら=4日午前、愛媛県伊方町、西村圭史撮影
愛媛県は4日、四国電力伊方原発(愛媛県伊方町)の事故を想定した避難訓練を実施した。8月の伊方原発3号機の再稼働後、避難訓練は初めて。伊方原発は佐田岬半島の付け根付近にあり、半島の住民の避難が課題とされる。訓練は半島から海路避難するケースを想定したが、台風12号の影響を考慮し、実際に民間船舶に乗船する訓練は中止された。
半島の原発から西側は全国で唯一、原発から5キロ圏と同じ扱いとなる「予防避難エリア」に位置づけられ、過酷事故が起きれば即時避難となる。政府が了承した避難計画では、半島から東へ向かう道路が寸断された場合、最大で約4700人の住民が、海路で県内や大分県に避難する。
訓練の想定は、地震により伊方原発から放射性物質が放出される危険性が高まって避難指示が出たが、半島の東側で国道が寸断されたというもの。午前9時半から約400人が約130台の自家用車などで港付近に集まり、伊方町のバスで岸壁まで移動した。
一方、今回は港へ集まる手順や所要時間の確認が目的で、全体の避難計画の一部のみ。避難経路や岸壁の崩壊、津波の危険性などは想定されなかった。
伊方3号機は今月7日にも営業運転に入る見込み。