米フロリダ州ケープカナベラル空軍基地から打ち上げられた探査機「オシリス・レックス」を搭載したロケット=AP
米航空宇宙局(NASA)は8日、小惑星から試料を採取して持ち帰る探査機「オシリス・レックス」を、フロリダ州ケープカナベラル空軍基地から打ち上げた。世界で初めて持ち帰りに成功した日本の探査機「はやぶさ」の米国版。7年後の帰還を目指す。
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NASAによると、探査機は予定通りロケットから切り離され、小惑星に向かう軌道に乗った。探査機が試料回収を試みるのは、地球に最も近い小惑星の一つのベンヌ(直径約500メートル)。2018年に到達し、観測を始める。その後、探査機はロボットアームを伸ばして表土を60グラム以上採取し、専用カプセルに入れて地球に送り返す。
ベンヌは太陽系の誕生直後の約45億年前にでき、今も当時のままの成分が残っているとされる。炭素や水を含み、アミノ酸などの有機物もあるとみられる。太陽系の起源や生命誕生の謎に迫る成果が期待される。
小惑星からの試料回収は、日本のはやぶさが10年に成功した。宇宙航空研究開発機構(JAXA)は14年末に後継機「はやぶさ2」を打ち上げており、20年末には別の小惑星の試料が地球に届く予定。NASAとJAXAは、研究用に試料の一部を提供し合うことで合意している。(ワシントン=小林哲)