会見で話す豊洲市場の専門家会議の平田健正座長=17日午前10時35分、東京都新宿区、竹花徹朗撮影
東京都の築地市場(中央区)が移転を予定する豊洲市場(江東区)の「盛り土」をめぐる問題で、都の「専門家会議」の委員らが17日に会見し、「前提条件が変わった。現状を見て再評価する」と述べた。2008年に土壌汚染対策として「盛り土」を提言した当時のメンバーで、当時の想定と異なる地下空間の安全性を検証する。
築地市場の豊洲移転問題
建物地下の水、微量のヒ素と六価クロム検出 豊洲市場
08年当時の座長だった平田健正(たてまさ)・放送大学和歌山学習センター所長らが会見した。「(今から)盛り土をするのは難しい。盛り土がない中でどうするのかを議論する」などと話し、必要な改善策も検討する考えを示した。結論を出す時期については、「いつまでというのは、予想がつかない」と述べるにとどめた。
会議は平田氏のほかに、いずれも当時の委員だった駒井武・東北大院教授と内山巌雄・京都大名誉教授も参加する。当時、環境基準を大きく上回る有害物質が検出されたため、「敷地全体で汚染の可能性がある土を入れ替えて盛り土をする」と提言。しかし、都は提言を無視する形で施設を設計し、建設を進めた。
盛り土がなかった問題を小池百合子都知事が10日に公表し、「提言からの変更について、都が専門家会議に意見を求める手続きを怠った」と指摘。都の要請で会議を再開し、盛り土がない現状での安全性を検証することになった。危険性が認められる場合、改修策も検討する。
都はこれまでの経緯や市場の移…