第1着を打つ高尾紳路九段。左は井山裕太名人=20日午前9時、静岡県沼津市の「沼津倶楽部」、迫和義撮影
井山裕太名人(27)=棋聖、本因坊、王座、天元、碁聖、十段をあわせ七冠=に高尾紳路九段(39)が挑戦している第41期囲碁名人戦七番勝負(朝日新聞社主催)の第3局が20日、静岡県沼津市のホテル「沼津倶楽部」で始まった。
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高尾挑戦者の2連勝で迎えた本局。井山名人が初勝利をあげるか、挑戦者が名人奪取へ大きく前進するか。注目の一局は、序盤、名人が積極的に仕掛けた。
定刻の午前9時、立会人の石田秀芳二十四世本因坊が開始を告げ、先番の挑戦者が第一着を右上星に打ち下ろした。左上で簡明な定石ができるなどじっくりとした展開だったが、名人が白22と打ち込み、右下一帯で競り合いとなった。
解説の金秀俊八段は「名人の度胸ある仕掛け。黒石の多い一帯なので挑戦者も反発したい。しばらく戦いが続きますが、どちらかといえば白にとってこわい展開です」と話した。名人が38手目を考慮中に昼の休憩に入った。(伊藤衆生)