選挙区が県境をまたぐ参議院の合区の解消について、自民党の高村正彦副総裁は19日、憲法改正で対応する考えを示した。近く党内に設ける検討機関で協議する。憲法審査会での議論の入り口に合区解消を据えることで、野党との改憲論議を進める狙いがある。
党本部で記者団に語った。高村氏は「単なる法律改正では無理なので、憲法改正が必要になってくる」と持論を展開。党が18日の憲法改正推進本部で草案を憲法審査会に出さないことを決めるなか、「党の憲法改正草案に全く触れられていなくても、今の時点で大切なことは、衆参の憲法審査会に提案する可能性がある」とも語った。発言は「都道府県制度は100年以上続く。憲法改正に向けた有権者の理解も得られやすい」(党幹部)との党内の期待を踏まえたものだ。
合区解消をめぐっては二階俊博幹事長が合区対象になった鳥取、島根、徳島、高知の4県連の意向を受けて検討機関の設置を決めている。週内にも党の参院執行部や憲法改正推進本部などの幹部が集まり、検討機関について協議する。参院自民党は、政策審議会で来週にも合区解消の議論を始め、党の検討機関に参院としての意見を反映させたい考えだ。