東京五輪・パラリンピック3会場の見直し案
東京都の小池百合子知事は1日、2020年東京五輪・パラリンピックのボート・カヌーなど3会場を新設する整備費を、従来の計画から最大計440億円削減することなどを盛り込んだ見直し案を決めた。小池氏が選んだ有識者らの調査チームによる最終報告を、都の案とした。同日始まった国際オリンピック委員会(IOC)などとの4者協議の作業部会に諮り、今月中に計画を固める考えだ。
調査チームは、従来計画で都が大規模施設を新設するボート・カヌー、バレーボール、水泳の3競技会場を中心に見直しを検討し、それぞれについて複数の選択肢を示した。
最終報告では、3施設を新設する場合、これまで見込んだ整備費計1578億円から最大28%減らす案を示した。ボート・カヌーについては宮城県登米市の「長沼ボート場」、バレーについては横浜市の「横浜アリーナ」も会場の選択肢とし、既存施設の利用によってさらに減額が可能との案も併記した。ただ、競技団体が新設計画を支持していることなどから、実現へのハードルは高そうだ。
調査チームは9月末、大会総予算を「管理態勢が不明確で、3兆円を超す恐れもある」と指摘していた。予算の膨張を防ぐため、最終報告書では、大会組織委員会による速やかな総額公表の必要性を指摘。都と組織委が予算を共同管理する態勢づくりや、組織委や都など関係団体の分担を明確にするよう提言した。(野村周平)