堺市北区に住民票がある梶本樹李(たつき)ちゃん(4)が行方不明になり、両親が児童手当などの詐欺容疑で逮捕された事件で、父親で鉄筋工の梶本卓(すぐる)容疑者(35)が「(樹李ちゃんの)遺体を奈良県境付近の山中に捨てた」と供述していることが、捜査関係者への取材でわかった。大阪府警は4日朝から、供述に基づき、大阪府千早赤阪村と奈良県の境付近の山中を死体遺棄容疑で捜索する。
捜査関係者によると、卓容疑者は逮捕当初、「階段から落ちて死に、遺体は海に捨てた」と供述。だが、最近になって、「本当は今年5月下旬に(奈良県との境にある)水越峠で道路脇から山中に投げ捨てた」と供述を始めたという。死因については、あいまいな供述をしている。
一方で、母親の無職千穂容疑者(32)は「昨年のクリスマスごろに夫がどこかに連れて行った」と説明しているという。
樹李ちゃんは2013年12月、大阪府の乳児院から同府松原市の両容疑者のもとに戻って以降、所在が確認されていない。同市職員らが自宅を訪れても、両容疑者は「(樹李ちゃんは)親戚に預けている」などと言って会わせなかった。堺市に転居後の今年5月下旬、同市は訪問や電話を繰り返しても樹李ちゃんの安否が確認できないとして府警に相談した。
府警は10月18日、樹李ちゃんの児童手当など計36万2千円を、以前住んでいた松原市から詐取したとして両容疑者を逮捕し、樹李ちゃんの所在についてもきいていた。