エアバッグの大量リコール問題を抱える自動車部品大手タカタが、米国の中核子会社について、米連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用申請を検討していることがわかった。問題の中心地である米国でタカタ側が負う債務を法的に確定させた上で、再建支援を担うスポンサーをみつけやすくして事業継続を図る狙いがある。
日本に本社があるタカタ本体については、リコール費用を肩代わりしている自動車メーカー側との話し合いで、削減してもらう「私的整理」を軸に調整する。タカタ側は、信用を維持しながら自動車メーカーが求める部品の安定供給を図りたい考えだ。
子会社は米ミシガン州の「TKホールディングス」。タカタの主力市場である米国の事業を統括し、タカタの売上高の3割を稼ぐ。だが米国ではタカタ製エアバッグ部品の異常破裂に絡むリコールが相次ぎ、死亡事故も10件を超えた。同社は2016年3月で300億円超の債務超過だ。債務は今後も膨らむ見通しだ。
米破産法11条の適用企業は、事業を継続しながら再建をめざせる利点がある。まずは債務を確定させて、スポンサー探しを優先させる。タカタは現在、スポンサーを同業他社やファンドから募っている。スポンサー側としても、支援決定後も子会社の債務が雪だるま式に増えるのは避けたいとの意向があった。