「ちびっこBOY」が3階に入る雑居ビル。繁華街にあり、24時間の保育サービスを提供していた=10月、平塚市宮の前、照屋健撮影
神奈川県平塚市の認可外保育所で乳児を死なせたとして、元保育士の男が傷害致死容疑で逮捕された事件は、夜間保育の現場で人手が足りていない現状を浮き彫りにした。行政はスタッフの複数配置を求めてきたが、男は事件当日、1人で約20人の乳幼児の面倒を見ていたという。保育士を確保するための公的な支援は乏しい。
10月下旬、午前2時。保育施設が入る横浜市内のビルから、5歳の娘を連れて女性(44)が出てきた。シングルマザーで毎日、午後5時に娘を預けて飲食店で働く。「実家が遠くて頼れず、夜に預かってくれる保育施設がなければ働けない。本当にありがたく思っています」と話した。
厚生労働省によると、宿泊を伴う保育をするなど「ベビーホテル」と呼ばれる認可外保育所のうち1134カ所を2014年度に調べたところ、約半数が職員の健康管理などで国の基準を満たしていなかった。「保育者が常に2人以上いる」「保育士や看護師を1人以上は配置する」とも国は定めているが、170カ所で守られておらず、行政指導の対象になったという。
昨年暮れ、生後4カ月の出縄望…