試合が終わり、客席にあいさつした後、ガッツポーズをする早稲田実の清宮=金川雄策撮影
早稲田実の清宮と履正社の安田。高校の決勝は、全国屈指の左打者を擁するチーム同士の激突となった。
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準決勝の第1試合でまず勝ち上がったのは清宮だ。1年生の夏から甲子園で活躍し、世代を引っ張る存在となった。高校通算本塁打は75本を数える。この大会では本塁打が出ていないが、3番として「後ろにいい打者がいるから、つなげば何とかしてくれる」。
相手の警戒が強く、甘い球はほとんどないが、個人プレーに走ることはない。この日もボール球を冷静に見極め、1安打4四死球で全打席出塁。そのうち2度は後ろを打つ1年生の野村が本塁へかえしてくれた。「野村がたくさん打ってくれたし、自分も全部出塁できた。それが勝ちにつながった」と振り返る。
安田は今夏の全国選手権に出場し、高校通算43本塁打。攻めが厳しいのはこちらも同じで、準々決勝までは無安打と苦しんだ。
それでも、この日は「体が開かず、うまく逆方向に打てた」と四回に今大会初安打となる左中間二塁打。四球も二つ選び、復調の気配を漂わせた。
清宮は身長184センチ、体重97キロの一塁手で、安田は188センチ、92キロの三塁手。対戦するのは初めてだ。「安田君は体が大きくて存在感もある。でも、僕にもプライドとか意地がある。力負けしないようにしたい」と清宮が言えば、安田も「レベルは全然、清宮が上。意識してしまう部分はあると思うけど、平常心で清宮に負けないくらいのバッティングをしたい」。(山口史朗)