シリアで9月、米軍主導の有志連合が停戦対象になっていたシリアのアサド政権軍を誤爆したとされる問題で、米中央軍は29日、調査結果を明らかにし、人的ミスによる誤認があったことを公式に認めた。
同軍によると、有志連合は9月17日、シリア東部デリゾールで過激派組織「イスラム国」(IS)と誤認し、「シリア政府側とみられる」部隊に約1時間にわたり、30発以上の空爆をした。作戦には米軍のほか英国、デンマーク、オーストラリアの各軍が参加したという。
誤認の理由として、部隊が統一された軍服を着ていなかったことや、識別できる旗などの目印がなかったことを挙げた。また、ロシア側から米軍に電話で通報があったが、速やかに情報が伝わらなかったため27分間、攻撃停止が遅れたという。米中央軍は「意図的にシリア軍を狙ったわけではない」と強調。米軍として確認できた死者は15人だが、実際はもっと多い可能性があるという。
在英NGO「シリア人権監視団」は、この空爆でシリア軍兵士90人が死亡したとしている。(ワシントン=杉山正)