10月20日、大統領主催の首席秘書官会議に出席した当時の禹柄宇・大統領府民情首席秘書官(左から2人目)と、安鍾範・同政策調整首席秘書官(同3人目)=東亜日報提供
韓国の検察当局者は30日、朴槿恵(パククネ)大統領をめぐる疑惑で、検察出身の禹柄宇(ウビョンウ)・前大統領府民情首席秘書官を取り調べる計画は当面ないと明らかにした。禹氏は一連の疑惑を発覚前から知っていた可能性があるとされ、検察がどう対応するのかが注目されていた。
特集:朴大統領が辞意表明
法務省は30日、一連の疑惑についての国会特別調査委員会で報告し、禹氏と金淇春(キムギチュン)・元大統領府秘書室長を被疑者とした。禹氏は朴氏の支援者チェ・スンシル被告の国政介入を知りつつ放置した職務放棄の疑いがあるとした。ただ、検察当局者は同日、禹氏らを被疑者としたことについて「被告発者という意味で、必ずしも容疑が認められるわけではない」と語った。
禹氏が10月末まで務めた民情首席秘書官は、検察や警察などの情報を統括する。韓国で最も情報を持つポストとされ、「今回の事件を知らないわけがない」(元閣僚)とされる。禹氏は検察人事に影響力を持つとされてきた。
韓国メディアが7月に禹氏の家族の不動産取得をめぐる不正疑惑を報じたが、朴氏は禹氏の責任を問わず、検察は捜査に動かなかった。30日の特別調査委では議員から法務省関係者に対し、「なぜ禹氏を捜査しないのか」という不満の声が上がった。
今後は、検察が失地回復のため…