与党・キリスト教民主同盟の党首に再選され、演説するメルケル氏=6日、エッセン、高野弦撮影
ドイツのメルケル首相は6日、独西部エッセンで開かれた与党キリスト教民主同盟の党大会で演説し、「ヨーロッパを強化するため、全力をつくさなければならない」と述べ、欧州の結束を訴えた。イタリアの国民投票の結果や英国の欧州連合(EU)離脱に懸念を表明。「混乱に陥った世界の中で、欧州をこれ以上弱くするわけにはいかない」と強調した。
メルケル氏はこの日、党首に再選され、来秋の総選挙に首相候補として出馬し4選を目指すことが正式に決まった。ただ、投票では支持率89・5%と、前回(2014年)の96・7%から下落。05年の首相就任以来、最低だった。演説に立った党員らからは、メルケル氏の寛容な難民政策に対する批判が相次いだ。
メルケル氏は、流入する難民を減らすためにトルコとむすんだ合意をアフリカ諸国にも広げる意向を表明。89万人もの難民申請者が急激にドイツに流入した昨年の状況を「二度と繰り返さない」と語った。
宗教の自由には議論の余地がないとしつつ、「人間同士が会話をするためには顔を見せ合うべきで、(イスラム教徒の女性が全身を覆い隠す)ブルカは禁止されるべきだ」とも述べた。(エッセン=高野弦)