「幸福の黄色いハンカチ」に出てくる炭鉱住宅のミニチュア模型と制作者の高間信夫さん=福井県坂井市
福井県坂井市のミニチュア模型作家、高間信夫さん(54)が、東京で開催中の「神の手・ニッポン展Ⅱ」に作品を展示するアーティストの一人に選ばれた。アニメや映画に登場する建物を模型で精巧に再現し、見る人たちを魅了している。
高間さんはまず資料を集めて設計図を描き、市販のヒノキ材や紙を使い、建物の外壁から家具、家電、小物までを作り上げる。その大きさは実物の40分の1スケール。忠実に細部までこだわって再現するため、手先の器用さや高度な技術が必要だ。2003年から創作活動を始め、完成した作品は自らが経営するカフェの2階で展示している。
東京の展覧会には、漫画「おそ松くん」の主人公の家、映画「幸福の黄色いハンカチ」の炭鉱住宅、アニメ「サザエさん」の磯野家など16作品を出品した。中でも幸福の黄色いハンカチの炭鉱住宅の作品には振動するモーターを組み込み、ボタンを押すと、黄色いハンカチが風になびくような仕掛けを施している。
高間さんは「普段は漫画やテレビで平面で見ているものを立体で再現した。作品を見て、物語の中にスッと入るような感覚を楽しんでほしい」と話す。
神の手・ニッポン展Ⅱは25日まで、東京都目黒区の目黒雅叙園(03・5434・3140)で。高間さん以外に水引工芸家やペーパーアーティストら4人の作品も紹介している。
一般1200円、中高大生600円。作品の全国巡回も予定されている。(小川詩織)