アレッポ
内戦が続くシリアのアサド政権軍幹部は12日、最激戦地・北部アレッポの完全制圧に向けて「最終段階にある」と発表した。AFP通信などによると、在英の反体制派NGO「シリア人権監視団」の代表も、政権軍が間もなくアレッポを完全制圧するとの見通しを示した。
特集:シリア
アレッポの東部は内戦勃発以来の反体制派の拠点で、主要な都市部で唯一、政権の支配が及んでいなかった。政権側は内戦勝利へ「重要な一歩」としており、反体制派への攻勢を強める構えだ。要衝を失った反体制派が勢力を盛り返すのは困難で、今後はゲリラ攻撃にシフトするとみられる。シリア内戦は事実上、「アサド政権勝利」へ大きな転換点を迎えた。
今後は、「自国民を虐殺したアサド政権に正当性はない」として、アサド大統領の退陣を要求してきた欧米やトルコ、サウジアラビアなどの反体制派支援国が、アサド政権と関係を修復するかが焦点だ。
ただし、政権側は11日、世界遺産の古代都市遺跡がある中部の要衝パルミラを過激派組織「イスラム国」(IS)に再び奪取されるなど、過激派組織との戦闘も継続しており、シリアの全土掌握には時間がかかるとみられる。
アレッポは内戦当初から東部を…