判決後、会見で「一つの区切りになった」と話す滝畠正義さん=大阪市北区
大阪府豊中市のマンションで昨年5月、同じ階に住む女性を刺殺したとして、殺人罪などに問われた無職上原亮宏(あきひろ)被告(55)の裁判員裁判で、大阪地裁(小倉哲浩裁判長)は14日、懲役21年(求刑懲役22年)の判決を言い渡した。
判決によると、上原被告は「自分が嫌がらせを受けている」と思い込み、昨年5月27日、マンション6階の廊下で長男(当時1)といた滝畠裕美(たきはたひろみ)さん(当時33)の首や頭をサバイバルナイフで何回も刺して殺害したという。
公判で弁護側は、パニックに陥りやすい精神疾患があったと主張。滝畠さんを傷つけたのは「嫌がらせの指示者を聞き出すため」で、殺意はなく傷害罪にとどまると訴えた。
しかし判決は「強い力で何度も刺し、死んでしまっても構わないという心理状態だった」と指摘し、殺意を認定。犯行直後に110番通報していることなどを考慮し、完全責任能力が認められるとした。