火災で焼け落ちた市街地。奥は日本海=23日午後3時2分、新潟県糸魚川市、朝日新聞社ヘリから、堀英治撮影
年の瀬、歴史的な街並みを誇った市街地が炎に包まれた新潟県糸魚川市の大火は、23日夕、出火から約30時間後に鎮火した。約150棟が燃え、着の身着のまま避難した住民も少なくない。がれきの撤去や住宅の確保などはこれからだ。
特集:糸魚川大火
出火から一夜明けた現場は、焦げ臭いにおいが一面に漂っていた。所々に残った建物の屋根からは炎が上がり、消防隊員らが消火活動に追われた。
付近は古くからの繁華街で、江戸時代創業で県内最古とされる蔵元「加賀の井酒造」や、日本海を望む老舗料亭「鶴来家」も焼失した。
周囲は規制線で立ち入りが制限され、自宅や職場を遠巻きに見つめる人々の姿が見られた。本町の医院で看護師を務める本田輝美さん(68)は「いつになったら再開できるの。患者さんにお薬を出してあげられない」と涙を流した。
市内3カ所の避難所には23日午後2時半現在、57人が身を寄せた。
自宅から市民会館に避難した無…