真珠湾攻撃などについて語る小錦八十吉さん=東京都内、西畑志朗撮影
日米首脳の真珠湾訪問は、どんな意味を持つのか。ハワイ出身で元大関のタレント、小錦八十吉さん(52)に聞いた。
特集:真珠湾
◇
僕が小さい頃、父は米海軍のエンジニアとして真珠湾で船の管理や修理の仕事をしていた。でも真珠湾攻撃の時はハワイにいなかったから直接体験したわけではなく、家でも話題にならなかった。僕は学校の授業で真珠湾攻撃を習ったよ。
学校には日系人の同級生がたくさんいたし、ハワイでは日本へのマイナスの感情はほとんどないと思う。それでも、70年以上前に戦った日本とアメリカのトップが真珠湾を訪れるのは、意味があると思うよ。
18歳で日本に来て、すごいと思ったのは、小さな国なのに一流の車や音響機器をつくり、世界を相手にしてきたこと。そして平和憲法を守り、「戦争をしない国」という良いモデルもつくってきた。今後どうなるか分からないところもあるけれど、今回の訪問も平和のため、戦争の傷を小さくするためのことだと思う。
日本とアメリカはすでに仲が良いけれど、ワン・ステップ・フォワード(一歩前進)だよ。こういう取り組みは世界中で増やした方がいい。戦争をなくすのは、みんなの夢だからね。(聞き手・伊東和貴)
◇
〈こにしき・やそきち〉 1963年、米ハワイ州オアフ島生まれ。元大関小錦。幕内での優勝回数は3回。94年に日本国籍を取得した。引退後はタレントやハワイアンシンガーとして活動。ハワイと日本の子どもの交流や、東北の被災地支援の活動を続けている。11月に新譜CD「COLOR’s」を発売。