初公開される「北野・東山遊楽図屛風」=京都市上京区、佐藤慈子撮影
古都の社寺に伝わる秘宝を披露する春の「京都非公開文化財特別公開」の概要が20日、主催の京都古文化保存協会から発表された。4月28日~5月7日に京都市内の18社寺が参加。北野天満宮(京都市上京区)では、境内での遊興の様子がいきいきと描かれた江戸前期の屛風(びょうぶ)が初公開される。特別公開には朝日新聞社が特別協力する。
北野天満宮で初公開される「北野・東山遊楽図屛風」は、25年前に崇敬者から奉納されて以来、収蔵庫に保管されてきた。17世紀後半~18世紀初頭の町絵師による作とみられ、六曲一双の屛風の右隻に祇園社(八坂神社)や清水寺、左隻に北野天満宮を描く。それぞれの名所には遊楽客があふれ、特に北野天満宮の境内などでは大きな酒宴が開かれ、人々が舞い踊る様子が活写されている。江戸初頭の風俗や町の発展の様子を知る上で貴重な作品だという。
加藤迪夫(みちお)・権宮司は「多くの人々が集まる天満宮が、信仰の場に加え、様々な文化発信の中心となっていたことが見てとれる」と話す。
ほかの公開場所は、上賀茂神社▽大徳寺本坊▽古知谷(こちだに)阿弥陀寺▽三千院▽宝泉院▽寂光(じゃっこう)院▽下鴨神社▽仁和寺金堂・経蔵▽妙光寺▽遍照(へんじょう)寺▽鹿王(ろくおう)院▽厭離庵(えんりあん)▽知恩院大方丈・小方丈・方丈庭園▽東福寺三門▽東寺五重塔▽伏見稲荷大社▽城南宮。
拝観料は1カ所大人800円、中高生400円(一部異なる)。詳細は協会ホームページ(
http://www.kobunka.com
)。問い合わせは協会(075・754・0120)。
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特別公開の拝観料収入は、文化財の修理や保存に役立てられています。(久保智祥)