昨冬の開業前の試験走行中、雪が詰まり動かせなくなった「三線分岐器」(JR北海道提供)
昨年3月の開業後、初の本格的な冬を迎えた北海道新幹線(新青森―新函館北斗、149キロ)。有数の積雪寒冷地を走り、在来線の貨物列車と同じ線路を走る特殊な事情ならではの雪害対策に追われている。
北海道新幹線、一部に遅れ 木古内駅でポイント不転換
テツの広場
14日午前6時50分ごろ、木古内駅構内のポイントが動かなくなった。作業員が手作業で除雪して約1時間後に運行再開したが、始発の新函館北斗発東京行きなど2本が最大70分遅れ、乗客165人に影響が出た。
JR北によると、ポイントは午前3時40分ごろには正常に作動していた。だが、始発までの約3時間に、6本の貨物列車が通過していた。木古内町はこの日の最低気温が平年比5度以上低い零下11・2度と今年一番の冷え込みで、貨物列車が走った際に周りの線路から舞い上がった雪がポイントに挟まり凍結したことが原因とみている。
全区間のうち、青函トンネルを含む82キロは、全国の新幹線で唯一、新幹線と貨物列車が走る「共用区間」だ。新幹線用の2本のレールの間に貨物用のレールがもう1本ある特殊な構造で、木古内のポイントも、3本のレールが合流・分岐する「三線分岐器」というものだった。
在来線のポイントと比べて部品が多く構造が複雑で除雪にも手間がかかる。区間内に計12カ所あり、開業後の不具合は初めてだったが、開業前4カ月間の試験走行では14件起きていた。
そのため、三線分岐器の周辺に…