2次募集に向けて見直せることの一例
保育所落ちた、どうしよう――。2月上旬、保育施設に入れるかどうかの結果が親たちの元に届いた。名古屋市では、「落選」した人たちに次善策を勧めている。だが、どこの施設でも良いわけではなく、次のチャンスまで待つ「保活浪人」を選ばざるを得ない親たちもいる。
「少し遠い保育所なら空いているんだけど、お母さん、頑張れるかな」。1次募集で落選し、3月の2次募集に臨む親たちに、各区役所は「選択肢を広げる」ことを提案する。希望エリアや送迎手段の変更などだ。こうした助言をするのが、名古屋市の保育案内人。2015年度は、市内のべ5万1267人、6万982件の問い合わせや相談に応じた。
案内人歴5年目の女性は「お母さんたちは、不安を抱え、同時に希望も求める。入所できると思い込ませてしまうことがないよう、言葉は慎重に選ぶ」と話す。事情の異なる家庭に、年間何十人、何百人と向き合う仕事。希望の保育施設に入れず、窓口で泣きだしてしまう人や、人生相談さながらに話し込む人もいる。「全ての望みをかなえられない場合もあるので心苦しいが、気持ちに寄り添い、次善の策を探す」
働き方や送迎手段についての提案のほかに、給食や駐車場の有無といった施設ごとの細かい情報も把握し、提供する。「少し遠いけれど、離乳食も用意してくれるので負担は軽いですよ」といった具合だ。
案内人は「知らなかったから入れなかった、という事態を防ぎたい」と話す。