障害者の差別解消に向けて関係機関が調整する自治体の「地域協議会」の設置が進んでいない。内閣府の調査では、昨年10月までに設置したのは全市区町村の3割にとどまる。昨年4月に施行された障害者差別解消法で設置できるようになったが、自治体の規模によっては負担が大きいようだ。
地域協議会は障害者団体や事業者、教育、医療、法曹関係者らで構成。都道府県や市町村に設置して、障害者差別に関する相談をたらい回しにしない態勢作りに取り組む。差別解消に対応できる関係機関が集まっているため、差別事案が発生した際の再発防止策が検討できる。
昨年10月時点の調査では、47都道府県のうち37都道府県が地域協議会を設置していたが、市区町村レベルでは507自治体と29・1%だった。今後も設置未定としたのは、半数近い722自治体あった。
内閣府によると、設置していない自治体からは「(自治体の)規模が小さいため現体制で対応できている」「人員が少なく負担が大きい」などの意見が寄せられた。設置した自治体からは「役割が不明確」などの課題が挙がったという。(井上充昌)