防災ヘリが墜落した現場=5日午後5時23分、長野県の鉢伏山付近、本社ヘリから、竹花徹朗撮影
長野県の防災ヘリ事故で総務省消防庁は職員5人を現地へ派遣し、埼玉、岐阜、愛知の3県に応援を要請した。長野県と相互応援協定を結ぶ山梨県も合わせ、計4県から長野県に向けてヘリが出動した。
長野県防災ヘリが墜落 9人乗り、3人の死亡確認
救急や災害対応、山岳事故への対応などのために運航するヘリのニーズは高まっている。消防白書によると、2016年11月現在で総務省消防庁や自治体が保有する計76機が、佐賀、沖縄両県を除く45都道府県に配備されている。消防庁によると長野県は1997年に初めて、今回の事故で墜落したヘリを導入した。
15年の全国の出動件数は6842件。救急が最も多く3308件、次いで救助が2218件だった。同年の総運航時間は1万8430時間で、うち訓練が最も長く1万581時間(57・4%)を占め、次いで災害が5571時間(30・2%)だった。
ベテラン操縦士の大量退職が今後見込まれており、高い技術を持つ操縦士が不足しつつある。白書によると、24時間態勢で運航できることが必要だが、操縦士不足のために態勢が十分でない自治体もあるという。
こうした中、救助活動中に墜落し乗員が死亡する事故も起きている。09年9月には岐阜県の北アルプスで墜落し乗員3人が死亡。今回の事故と同型機だった。10年7月にも埼玉県秩父市の山中で墜落し、乗員5人が亡くなった。(四倉幹木)