W杯最年長表彰台記録を塗り替え、ジャンプ台をバックに笑顔の葛西紀明=プラニツァ
26日のノルディックスキー・ジャンプ男子ワールドカップ(W杯)今季最終戦で3位に入った44歳9カ月の葛西紀明(土屋ホーム)。自身が持つW杯最年長表彰台記録を塗り替える快挙の舞台裏には、はるばる応援に駆けつけた家族のアシストがあった。
スロベニア・プラニツァで開かれた今大会、葛西は海外遠征に初めて1歳の長女璃乃ちゃんを呼んだ。強風で2回目がキャンセルになり、3位が決まった瞬間も、控室で妻怜奈さんと、居眠り中の璃乃ちゃんと一緒にいたという。
葛西は「ギリギリまで部屋に一緒にいました。少し集中する時間も欲しいけどなあ、と思いながらも一緒にいて、それが逆に良かったのかも」と振り返った。
日々の生活でもオンとオフの切り替えになった。「一緒に生活して癒やされます。気持ちの面でも一人だとジャンプのことを考え込むこともあったので。本当に家族の力はすごい」
シーズン中、午前7時に起床してのランニングが日課だが、今大会は午前4時、5時に長女に強制的に起こされたとか。「子どもって、時差ぼけが素直に出ちゃう。まだ眠いと思うけど、可愛い顔を見て癒やされましたね。今週は」。ふだんから心温まる家族ネタを明かしてくれるジャンプ界のレジェンドが、改めて家族への感謝を口にした。(プラニツァ=稲垣康介)