絵画などが飾られた文化庁の庁舎内=東京・霞が関
お堅い役所が美術館に変身――。東京・霞が関の文化庁の庁舎内で、絵画を展示する「Arts in Bunkacho~トキメキが、爆発だ~」が開催中だ。東京芸術大学長を務めた宮田亮平長官が、若手芸術家の作品を多くの人に見てもらうとともに、職員の意識など「古い文化庁を変えたい」と取り組んだ。
展示は、同庁と、国公私立の芸術系大学56校が参加する全国芸術系大学コンソーシアムの主催。大学院生や卒業生ら36人の油絵や彫刻を、6階建ての庁舎内の1、2、3、5階の一部などに展示している。
庁舎は茶色のスクラッチタイルで覆われた旧文部省庁舎で、国の登録有形文化財。同庁は文化財の「保存と活用」を進めるが、「活用の部分は全くできていない」と宮田長官。庁舎内に作品を展示することで、「人に言うのではなく、自分でやるんだという意識をつくりたい」という。
5階の長官室近くの廊下にも絵画が飾られている。宮田長官は「5階は陳情の人がわんさか来るが、必ず『廊下どうだった?』と聞く」と話す。「作品に気づかない場合は陳情は聞く必要がない。文化をお願いしに来るのは、文化を常に意識している人なんですから」
展示は平日午前10時~午後6時。無料。6月30日まで。(藤井裕介)