23日投開票の名古屋市長選について、朝日新聞社は名古屋テレビ(メ~テレ)と共同で15、16の両日、電話調査を実施し、取材による情報と合わせて情勢を探った。現職の河村たかし氏(68)が優位に立ち、前副市長の岩城正光氏(62)が懸命に追っている。元会社員の太田敏光氏(68)は厳しい。
名古屋市長選に3氏 名古屋城天守木造化など争点
有権者の3割は投票態度を明らかにしておらず、情勢が変わる可能性もある。
投票態度を明らかにした人を分析すると、河村氏は自民支持層の7割強、民進支持層の8割に浸透し、全体の約半数を占める無党派層にも支持を広げている。河村氏は市議会で自民、民進両党と対立しているが、両党の支持層からの支持も根強いことがうかがえる。年齢別では30代の8割が支持している。
一方、市議会の自民、民進、共産3党と社民党愛知県連合の支援を受ける岩城氏は自民支持層、民進支持層からの支持が、それぞれ2割程度にとどまっている。無党派層でも河村氏にリードを許している。
情勢調査とあわせて行った世論調査で、名古屋城天守の木造化への賛否を尋ねると、賛成が40%で、反対の31%を上回った。
木造化については、河村氏が2022年末の完成を目指して推進を主張。岩城氏はコンクリート製の現天守を耐震補強する考えで、木造化には慎重だ。
また、市民税の5%減税を続けることへの賛否を問うと、賛成が64%で、反対の15%を大きく上回った。
市民税減税については、河村氏が「税金が安いほうが庶民に温かい」と継続を訴え、岩城氏は「金持ち優遇策で、格差だけを拡大する」と廃止を主張している。
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〈調査方法〉 15、16の両日、コンピューターで無作為に作成した固定電話番号に調査員が電話をかけるRDD方式で、名古屋市内の有権者を対象に調査した。有権者がいる世帯と判明した番号は1797件、有効回答は1008人。回答率は56%。