会合の冒頭、握手する(左から)米国務省のジョセフ・ユン北朝鮮政策特別代表、外務省の金杉憲治・アジア大洋州局長、韓国外交省の金烘均・朝鮮半島平和交渉本部長=25日午前9時31分、東京都港区の外務省飯倉公館、遠藤啓生撮影
北朝鮮の核問題に関する6者協議の日米韓3カ国首席代表者会合が25日、東京都内で開かれた。岸田文雄外相は同日の記者会見で、6者協議の中国首席代表を務める武大偉(ウーターウェイ)・朝鮮半島問題特別代表が同日から28日まで来日すると発表。日米韓が対北朝鮮政策を協議したうえで日中首席代表会談を行い、中国側に北朝鮮への圧力を強めるよう働きかける方針だ。
岸田氏は首席代表者会合について「日米韓の連携のあり方について議論し、政策のすりあわせを行いたい」と述べた。会合は2月に米ワシントンで開かれて以来。外務省の金杉憲治アジア大洋州局長、米国務省のジョセフ・ユン北朝鮮政策特別代表、韓国外交省の金烘均(キムホンギュン)・朝鮮半島平和交渉本部長が出席した。主に北朝鮮に影響力を持つ中国の動向を分析。北朝鮮への圧力を強めるよう3カ国が連携して中国側に働きかける方策を話し合う見通しだ。
金杉氏は日米韓の協議を踏まえ、来日する武氏と26日にも会談する。24日の安倍晋三首相とトランプ米大統領との電話協議では、北朝鮮問題をめぐり中国が役割を果たすよう働きかけていくことで一致。日本政府関係者は「中国から輸出している石油が、北朝鮮の生殺与奪の権を握る。石油禁輸をどのタイミングで、どこまでやれるかどうかだ」と指摘しており、中国による制裁強化がカギとの見方を示している。
菅義偉官房長官は25日午前の記者会見で「中国、ロシアの(北朝鮮への)影響は極めて重要だ」と強調。27日からの安倍晋三首相の訪ロにも触れ、「首脳会談で国連安全保障理事会常任理事国としての責任ある建設的な対応をしっかり求めていきたい」と述べ、ロシアへの働きかけも強める考えを示した。(松井望美)