公開が始まった国宝の太刀「山鳥毛」=26日午前11時17分、岡山市北区の県立博物館、上田幸一撮影
上杉謙信、景勝が愛用し、備前刀の最高傑作の一つとされる国宝「太刀 無銘一文字」の公開が26日、岡山市の県立博物館で始まった。年に一度だけ展示されてきたが、謙信の地元・新潟県上越市がこの刀を購入する方針で、岡山では最後のお披露目となる可能性がある。
「無銘一文字」の号(愛称)は「山鳥毛」。鳥の羽根が踊るような複雑な刃紋から、その号がついたとされる。刃長79・5センチ、反り3・4センチ。砂鉄が採れ、良質な刀の産地とされた備前(現在の岡山県南東部)で鎌倉時代に作られたとみられており、1952年に国宝に指定された。現在111件ある国宝の日本刀のうち半数近くが備前刀とされる。
博物館が個人の所有者から預かって年1回公開してきたが、所有者側が「上越市が望むなら、上杉家ゆかりの土地に戻したい」として市に譲渡する意向を示した。市は昨年、購入の方針を公表。2017年度予算に購入資金約3億2千万円を計上した。
今後、所有者側と市が交渉し、交渉が成立すれば仮契約が結ばれ、市議会で承認されれば市の購入が決まる。市は総合博物館に刀を所蔵し、展示することを計画している。
市によると、景勝が1598年…