三重県四日市市は新年度、長年続けてきた四日市朝鮮初中級学校(同市阿倉川町)への補助金を停止する。森智広市長が3日、新年度当初予算案の記者会見で明らかにした。同様に補助金を出している県も、新年度の当初予算案への計上を見送ることが関係者への取材でわかった。
市教育委員会などによると、同校の土地・建物に民間会社が根抵当権を設定している。県は学校に根抵当権が設定されるのはふさわしくないとして、今年度末までに抹消するよう指導してきた。市教委が県に問い合わせたところ、抹消される確証が得られず、市独自の判断で予算案に補助金を盛り込まなかったという。
市は1965年度から、在校市民数に応じて同校に補助金を交付してきた。2013年度には文部科学省が高校無償化から朝鮮学校を外したことや、核実験を強行した北朝鮮への制裁決議を国連安保理が全会一致で採択したことから、市議会が交付を認めず、一時停止。しかし翌年度から復活し、毎年度、100万円前後を補助していた。
県は今年度、当初予算に計上した補助金300万円をまだ同校に支給していない。関係者は「今年度の交付が決まっていない状況で新年度予算案に盛り込むのは適切ではないと判断した」と説明する。