アマゾンのロゴ=AFP時事
アマゾンとマイクロソフト、グーグルの米IT大手3社が27日に発表した2017年1~3月期決算は大幅な増収増益だった。各社はデータの保存や分析サービスを提供する「クラウド」に注力している。
クラウドを使えば企業は巨大なシステムを自前で持たずに済む。この分野で先行するアマゾンは、純利益が前年同期比41%増の7億2400万ドル(約800億円)だった。クラウド事業アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)は、営業利益が同5割増の8億9千万ドル(約1千億円)に達した。オルサブスキー最高財務責任者(CFO)は「大企業と次々に契約を結んでおり、地理的にも広げていく」と意欲を示した。
マイクロソフトもクラウドが好調で、純利益は前年同期比28%増の48億100万ドル(約5300億円)。一方、ノートPCなどの「サーフェス」シリーズは売り上げが26%減った。ナデラ最高経営責任者(CEO)は「クラウドへの移行に集中していく」と語った。
グーグルは動画サイト「ユーチューブ」などの広告が好調で、持ち株会社アルファベットの純利益は前年同期比29%増の54億2600万ドル(約6千億円)。クラウドでは出遅れたが、「もっとも人を増やしたのがクラウドで、優先的に取り組んでいく」(ポラットCFO)との姿勢だ。
米調査会社ガートナーは、クラウドの市場規模は16年の250億ドル(約2兆8400億円)から、20年には710億ドル(約8兆円)に達すると予想している。(ニューヨーク=江渕崇)