1961年2月、宮崎県営球場で左打ちでトスバッティングする長嶋茂雄氏
プロ野球巨人の終身名誉監督・長嶋茂雄氏(81)の「スーッと来た球をガーンと打つ」という打撃論を、数学的に説明する講演会が13日、東京都渋谷区の白寿生科学研究所である。講師は数学者で東京理科大教授の秋山仁氏(70)。日本スポーツ学会主催のスポーツを語り合う会で、「スポーツの背景に潜む数理」と題して講演する。
秋山氏によると、長嶋氏の「素早く、コンパクトにバットを振れ」という口癖を言い換えると、「バットを構えている高い地点からボールに当てる地点まで最速で動かせ」と捉えることが出来るという。
その場合、打者の腕力や柔軟性などを無視し、重力だけを利用してバットを動かすと考えると、ボールまでの軌道で「最短」は直線。ところが、「最速」は最速降下線と呼ばれる山なりの曲線を逆さにした「サイクロイド曲線」の軌道となり、長嶋氏の理論は曲線状に動かすこの軌道に当てはまるという。
ミシガン大客員研究員などを歴任した秋山氏は、現在欧州科学院会員で専門誌やテレビ、ラジオなどで数学の魅力を伝えている。
講演会は午後2時から。資料代1千円。学生は学生証持参で500円。定員は80人で事前申し込み不要。問い合わせは、スポーツネットワークジャパン(03・3323・0893)へ。(竹園隆浩)