カジノの規制基準を定める実施法案をめぐり、政府は21日、日本人を対象としたカジノ施設の入場料を1人2千円とする案をまとめ、与党に示した。公明党のプロジェクトチーム(PT)では、ギャンブル依存症対策を念頭に「低すぎる」との異論が噴出した。
カジノ「週3回」に規制案 自民反発「経済に悪影響」
2千円の入場料は日本人と在留外国人が対象で、訪日外国人は無料。米ラスベガスなどでは無料だが、政府が参考にするシンガポールは1日100シンガポールドル(約8100円)を徴収している。
公明党PTでは「シンガポールよりも低いのはどうなのか」など厳しい指摘が相次いだ。自民党PTでは入場料の不要論から引き上げ論まで意見に幅があり、与党内の調整は難航する可能性もある。
この日は、カジノ事業者に義務づける納付金の制度も提示された。カジノを監督するカジノ管理委員会の運営費をまかなう定額部分のほか、カジノのゲーム事業でもうけた収入の一定割合を徴収する比例部分を設定。徴収割合を一律30%とする案と、収入が1500億円以下なら30%、そこから3千億円以下まで40%、3千億円超は50%とする累進型の案も検討する。
納付金は国と都道府県で折半し、地域経済の振興などに使う、と定める方針だ。刑法の賭博罪にあたるカジノを例外扱いとするためには「公益性」がポイントとなるため、納付金をどの程度徴収するかも大きな論点となる。(南日慶子)