女子ダブルス準々決勝で戦う伊藤(右)、早田組
(2日、卓球世界選手権・女子ダブルス準々決勝)
女子ダブルスの日本勢では16年ぶりとなるメダルを確定させたのは、ともに16歳の高校2年生ペア・伊藤美誠(みま)、早田ひな組だった。香港ペアをストレートで破ると、笑顔で抱き合った。「最低限の目標を達成できた」と早田が言えば、伊藤は「リオデジャネイロ五輪のメダルとは違ううれしさがある」と喜んだ。
準々決勝でも、立ち上がりから2人の良さが出た。右利きの伊藤の前陣での多彩なレシーブに、左利きの早田の強力なフォアハンドが随所で決まった。以前は、同学年の平野との「みうみま」ペアで国際大会を勝ってきた伊藤は「(平野)美宇ちゃんと組んでいた時は、自分が攻撃の役割だったけど、今は自分がボールをつなぐ役割もできるようになった」と語る。
平野が4月のアジア選手権のシングルスで優勝し、2人は刺激を受けた。早田は昨年末に右ひざを痛めたが、春から伊藤と本格的なコンビの練習を深めた。伊藤も団体で銅メダルを獲得したリオ五輪の後、体幹トレーニングやシャドーボクシングの練習を採り入れ、強打を連続して打っても疲れない体を作ってきた。
次戦は、世界ランキング1位の丁寧と2位の劉詩雯の中国ペアが相手だ。早田は「勝って、金メダルを取りたい」。伊藤はシングルスの準々決勝で中国勢に敗れた。「ダブルスの方が、中国勢に勝つチャンスはある」と雪辱を誓った。(前田大輔)