中田充容疑者が勤務する福岡県警本部=福岡市博多区
現職警察官が殺人容疑で逮捕された、福岡県警。今年に入り不祥事が相次いで明らかになっており、実効性のある再発防止策が課題になっている。
5カ月前に式場予約、親にも紹介 披露宴紛糾の既婚警官
氷の口移し強要や同僚女性を羽交い締め…警官7人を処分
酒気帯びで事故、逃げた疑い 巡査部長を懲戒免職 福岡
県警は、乗用車を飲酒運転し、パトカーに追跡され事故を起こしながら逃げたとして、行橋署の30代の男性巡査部長を1月に懲戒免職にした。調べに対し「飲酒運転がばれると職を失うので、怖くなって逃げた」と説明したという。
2月には、既婚者なのに独身女性と不倫し、結婚披露宴を開こうとした小倉北署の40代の巡査部長を減給処分に。披露宴では「新婦」側の親族や友人が集まる中、巡査部長側は本人だけ。式場は紛糾し、警察官が出動する騒ぎになった。
3月には留置管理課内の集団わいせつ、パワハラ事案が発覚。飲み会で同僚女性にわいせつ行為をしたり、男性課員同士に「宴会芸」として氷の口移しをさせたりしたとして、計7人が処分された。うち50代の男性警部補2人=退職=は強制わいせつ罪で起訴された。
監察官室によると、懲戒処分を受けた県警職員は今年に入って12人に上る。そんな中で起きた、今回の殺人容疑事件。8日の会見では、止まらない不祥事への認識や、再発防止策の効果を問う質問が相次いだ。
久田誠警務部長は「重く受け止め、それぞれの原因、背景を究明し、信頼回復に努める」と述べた。
今回の逮捕を受け、全職員に対し、注意を喚起する通達を県警本部長名で出したという。(小野大輔)
■福岡県警の今年の主な不祥事
・酒気帯び運転で事故を起こして逃げたとして、行橋署の男性巡査部長を懲戒免職(1月)
・既婚者であることを隠して独身女性と不倫し、結婚披露宴を開こうとしたとして小倉北署の男性巡査部長を減給(2月)
・同僚の女性警察官にわいせつな行為をしたなどとして、留置管理課の警部補ら7人を停職などの処分(3月)
・警察署に届いた落とし物を着服したなどとして、中央署の一般職員を懲戒免職(5月)
※カッコ内は処分があった月