阪神の俊介
(13日、阪神7―2西武)
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開幕から阪神の上位打線にあった「糸井」の名が、今はない。9日の試合中に左太ももの裏を痛め、3試合連続で先発を外れた。攻撃面での迫力不足は否めない――。この夜の打線は、そう思わせなかった。
穴を埋めたのが俊介だ。二回1死一、二塁。高めに浮いた140キロをたたくと、打球は左中間を割った。先制の2点二塁打に「バットが振れているから、間を抜けてくれた」。
オフから筋力トレーニングと打撃に力を入れ、「飛距離も出てきた」と手応えをつかんだ29歳。これで終わらなかった。同点の四回2死では、スライダーをとらえ、「風にも助けられました」。2014年以来となる本塁打を最深部の左中間席に放り込んだ。
先週末のソフトバンク戦から、打線は湿っていた。中軸は3連戦で計1安打。金本監督を「全体的に落ちている」と心配させた。そこへ追い打ちをかけるような糸井の欠場。だが、約1週間ぶりの甲子園で、俊介ら脇役の活躍が光り、7得点を挙げた。1番に座り、七回に貴重な2点二塁打を放った糸原は言う。「僕らがガツガツ行かないと、チームも上がってこない」
糸井はいま、全力で走る姿は見られないが、フリー打撃を行うなど、全体練習には参加している。ただ早く回復するためには、無理をさせないのが一番だ。糸井に出場機会を与えないような「限られたチャンスを生かせる選手」が必要な時期に入っている。(井上翔太)
○糸原(神) 1番に座り、七回に大きな2点二塁打。「僕らがガツガツ行かないと、チームも上がってこられない」
○秋山(神) 2本塁打を浴びたが、要所を締める。「強くバットを振ってきたので、怖さはあったが、粘れた」
○金本監督(神) 俊介が3打点。「期待以上の力を出してくれました。(本塁打は)入ると思わなかった」