智弁和歌山に敗れ、グラウンドを後にする東海大相模の選手たち=3日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場、内田光撮影
第90回記念選抜高校野球大会は3日、準決勝2試合があり、いずれも延長にもつれこむ激闘になった。東日本勢で唯一残っていた東海大相模(神奈川)は、智弁和歌山に延長十回10―12で敗れた。
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「試合の入りは良かった」と東海大相模の小松勇輝主将(3年)は言う。一回に先頭の自身の左越え三塁打を皮切りに4長短打を集めて4点を先取。電光石火の攻撃で、相手先発投手を降板させた。その後リードを奪われても、五回に渡辺健士郎君(3年)の2点本塁打で逆転。六回にも4点を加え、一時最大5点のリードを奪った。
だが、東海大相模にとって相手の強力打線が脅威だった。点差があっても、打順が何番だろうと、強くバットを振り抜いてくる。「強く振るという点で、智弁和歌山は最後までぶれなかった。どんな状況でも、少々のボール球でも思い切ってバットを振る勇気を持っていた」と門馬(もんま)敬治監督(48)は相手をたたえた。小松主将は「打線と応援がすごく怖かった」と話した。
終盤に失点し、延長に。延長十回に2点を失い、東海大相模は優勝した2011年以来の決勝進出を逃した。その年は東日本大震災で開催を危ぶまれた大会。東海大相模は74安打の大会記録で制していたが、今回は智弁和歌山の打線に屈した。
試合後に涙を流す選手たち。門馬監督は「この春、本気の経験をして涙を流せた。これは夏に生かせると思う」。(恵藤公浩、塩谷耕吾)