閣議後会見で受動喫煙防止対策の徹底に関する談話を発表する塩崎恭久厚生労働相=東京・霞が関の厚労省
他人のたばこの煙を吸わされる受動喫煙対策をどう強化するかは、次期国会での焦点となる。塩崎恭久厚生労働相は20日の閣議後会見で、禁煙社会の実現をめざす談話を発表。改めて法案提出への意欲を示したが、自民党との調整は依然難航することが予測され、先行きは不透明だ。
「エビデンス(証拠)に基づく議論が十分できず、結論に至っていない」。塩崎氏は昨年末から進めた党側との調整を振り返り、受動喫煙がなければ年間1万5千人は亡くならずに済むことや、分煙は受動喫煙被害の防止効果が乏しいことを列挙。「妥協することはない」と禁煙の重要性を改めて強調した。
2010年以降の五輪開催国では、屋内は罰則付きの受動喫煙対策が講じられてきた。塩崎氏は「日本で初めて伝統を破ることをどう考えるのか」と述べ、2020年の東京五輪・パラリンピックに間に合うよう議論を加速させる考えを示した。
しかし、政府・与党間の調整はこじれにこじれ、法案提出の見通しはたっていない。
通常国会中では、最後の協議と…