2016年の衆院本会議初日に、晴れ着で議席に座る豊田真由子氏(中央)=2016年1月4日、国会内
自民党の豊田(とよた)真由子衆院議員(42)が秘書への暴行疑惑報道を受けて離党届を出した22日、地元の衆院埼玉4区(朝霞、志木、和光、新座)では動揺が広がった。
離党届の豊田氏、関係者に暴行認める 都議選へ自民痛手
この日夕、埼玉県新座市東北2丁目の豊田氏の事務所のドアは閉まり、室内では電話が鳴り続けていた。
豊田氏の選挙を手伝ってきた小池秀夫・新座市議は「本人は頑張り屋でよく地元を回る。秘書がついてこられないのかもしれないが、暴言はひどい。離党は当人の責任で仕方がないが残念」と話した。自民を支持しているという同市の会社社長(58)は「子育てもあるからストレスがたまったのかな」と思いやり、事務所の近くに住む女性(78)は「私たちを裏切ったという思い」と話した。
豊田氏は千葉県出身で元キャリア官僚。2012年衆院選で自民県連の公募に応じて立候補し当選した。
元選挙事務局長の男性は「明るくておもしろい性格だが、厳しい人で秘書からは怖がられてはいた。私も『そんなことではいけない』と言ってきたが、忠実な人を求める面が強かった」と話し、「(豊田氏は)憔悴(しょうすい)している。今後のことはまだわからない。反省して態度を改めて欲しい」と語った。
自民の鈴木聖二県連幹事長(県議)は「能力はある人だったが暴力は絶対に許されない。エリートとして選挙に出たが、人の情が欠けていたかもしれない。党として引き締めていかないといけない」。県連会長の新藤義孝衆院議員は「誠に痛恨の極みだ。党本部と連絡を取りながら対応したい」とコメントを出した。(大脇和明、金子智彦、斯波祥)