大阪市の吉村洋文市長は29日の記者会見で、「高等森友学園保育園」(大阪市淀川区)を運営する社会福祉法人代表の籠池泰典氏を、補助金など計約2700万円をだまし取ったとする詐欺容疑で、7月上旬にも大阪地検特捜部に告訴する方針を明らかにした。
教員の架空名義で補助金詐取か 森友学園運営の幼稚園
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市によると、告訴対象は2件。市は2016年度までの4年間に園長が専従の場合に加算する補助金約2300万円を保育園に支給したが、園長だった籠池氏の妻は森友学園運営の塚本幼稚園の副園長を兼務していたという。また、市は14、15年度に障害のある子どもを受け入れたとして塚本幼稚園に補助金約400万円を支給したが、保護者の同意や支援実態がなかったという。
吉村市長は、このほかにアレルギー対応に当たる専従栄養士を雇った場合の補助金計252万円など数件の追加告訴も検討するという。長年、市が不正受給を見逃していたことから、吉村市長は再発防止策として、認可保育園の監査職員や、監査時に確認する書類を増やす考えを示した。
籠池氏をめぐっては、大阪地検特捜部が今月、大阪府の告訴などを受け、学園事務所や籠池氏の自宅を詐欺などの容疑で家宅捜索している。