G20開幕を控えたハンブルクで6日、白いヘルメットをかぶった警官隊が、黒い衣装に身をまとったデモ参加者を囲んだ=五十嵐大介撮影
黒ずくめの集団を、白いヘルメットの一団が切り裂いていく――。トランプ米大統領が初参加するドイツ・ハンブルクでのG20サミット(主要20カ国・地域首脳会議)の開幕を翌日に控えた6日、同市内では、G20やグローバル経済、そして保護主義を強めるトランプ氏にも反対を叫ぶ大規模なデモがあり、警官隊が放水車などで制圧する騒ぎとなった。
茶色く濁った川の向こうにガントリークレーンを望む港町ハンブルクの川沿いの道路に、6日夕、黒い服に黒いフードや帽子、サングラスをかけた群衆が集結した。手にした「地獄へようこそ」「反トランプ」「我々は本当に怒っている」などと書かれたプラカードや旗が揺れた。
わずか数キロ離れたG20会場では、まさにトランプ氏がメルケル独首相と会談していた時。「一部の金持ちが得する」と資本主義やグローバル経済に反対する声や、排外主義的な政策を打ち出すトランプ氏への抗議の声が、酒とたばこの臭いが漂う中からわき起こった。
欧米メディアによると、参加者…