流木をかき分け不明者を捜索する警察官=8日午後4時52分、福岡県朝倉市杷木林田、金子淳撮影
九州北部の豪雨災害で、福岡、大分両県の死者は8日、さらに増え、18人になった。被災地から川でつながる有明海では5人の遺体が見つかり、警察は災害にまきこまれた可能性があるとみて調べる。この5人を含めると死者は23人になる。九州北部は9日も所によって大雨のおそれがあり、気象庁は警戒を呼びかけている。
【パノラマ写真】捜索活動が続く福岡県東峰村の水害現場
豪雨による被害が出始めた5日夕から、生存率が著しく低下するとされる「72時間」が過ぎ、自衛隊や消防、警察などは懸命の救助活動を続けた。
福岡、佐賀両県警や三池海上保安部(福岡県大牟田市)によると、有明海で見つかった遺体は女性3人、男性2人。体に傷があることなどから、豪雨災害にまきこまれ、筑後川を流されてきた可能性がある。福岡県朝倉市の被害の大きかった一帯から筑後川の河口までは、直線距離で50キロ近くあるが、佐賀県沿岸にも流木などが大量に流れ着いている。
福岡県警などによると、朝倉市では8日、3人の遺体が見つかった。
朝倉市は、8日午後9時半現在、連絡が取れない人が26人いると明らかにした。11人が行方不明としていたが、救助・捜索活動が進むにつれ、集落の孤立状態はほぼ解消され、新たに連絡がつかない人がいることがわかったという。市内の避難所には850人が避難している。
東峰村では午後6時現在、孤立しているのは13世帯28人、避難をしている人が429人いる。
一方、大分県は8日、連絡が取れず安否不明としていた12人のうち11人の無事を確認したと発表。残る1人は、7日に遺体で見つかった女性で、日田市鶴河内の矢野知子さん(70)と確認し、安否不明者はいなくなった。県内の避難者数は378人。
避難指示は福岡県内は8日、すべて解除され、大分県では日田市の一部に継続して出されている。