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「戦争扱う邦画、被害者コスプレ感じる」 イ監督に聞く

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インタビューに応じる映画「朴烈」のイ・ジュンイク監督=ソウル、武田肇撮影


韓国で日本統治時代を題材にした映画が次々に公開され、ヒットしている。その一つで「軍艦島」よりも1カ月早く公開された「朴烈(パクヨル)」は、関東大震災の直後、皇室暗殺を企てたとして大逆罪に問われた無政府主義者の朝鮮人と、その相方だった日本人女性の愛を描いた異色作で、観客動員数は約230万人に達した。なぜこの時代の映画が増えているのか。歴史を題材にした映画で、創作はどこまで許されるのか。「朴烈」のイ・ジュンイク監督に聞いた。


韓国映画「軍艦島」事実と創作の境界は? 現地でも論争



――2015年夏以降、「暗殺」「鬼郷」「徳恵翁主」「軍艦島」(いずれも原題)など植民地時代を題材にした韓国映画の公開が相次いでいます。なぜでしょうか。


「韓国は植民地時代の傷をいまだに整理できていないからだ。日本は明治維新を経て主体的に近代化を遂げたが、韓国は日本帝国主義によって受け身の近代化を余儀なくされた。戦後も長く経済的に日本に従属した。戦後70年経って戦後世代が大部分となり、客観的な視点で過去を問い直せるようになった。映画人にとって、この時代を題材にすることは、韓国の近代化やそれに連なる現代の不十分な部分を見つめ直す作業だ。個人の趣向ではなく歴史的な流れと思っている」


――「朴烈」は、関東大震災後に起きた朝鮮人虐殺を隠蔽(いんぺい)しようとする日本政府を相手に、無政府主義者の朴烈と、相方の金子文子が大逆罪の裁判を通して闘うというストーリーです。どこまで事実で、どこからが創作ですか。


「歴史を題材にする映画の時代考証には、三つの必要条件があると考える。登場人物が実在の人物であること、主要な出来事が事実であること、出来事の時系列が合うことだ。その三つの条件以外は創作として許される。『朴烈』に登場するのは、すべて実在の人物だ。当時の新聞記事や2人が書いた手記、評伝を徹底的に読み込み、せりふの多くも記録に残っている言葉だ。ただ、たとえば、2人が東京のおでん屋を無政府主義の活動の拠点にしたのは事実だが、嫌がらせに来た日本人の男をおでんの汁をかけて追い返す、という場面は創作だ。そこは事実を確かめようがない」


――最近、韓国では歴史を題材にしつつ大胆に創作を加える作品が流行し、一部歴史家は「歴史認識が混乱する」と批判しています。


「映画史で、歴史認識を最もね…



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