衆院選の投開票まであと4日。働き手の命や健康にかかわる労働時間規制を巡る論戦が低調だ。規制の強化と緩和を抱き合わせた労働基準法改正案は、今秋の臨時国会で最大の与野党対決法案になるとみられていたが、突然の衆院解散や民進党の分裂劇が響いてほとんど争点になっていない。
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「残業代ゼロ法案を、解散していなかったら(安倍政権は)秋の国会で通そうとしていたんですよ。私たちはまっとうなルールをしっかりつくっていきたい」
立憲民主党の枝野幸男代表は15日、大阪府高槻市での街頭演説で、雨が降る中集まった聴衆に訴えた。
専門職で年収の高い人を労働時間規制から外す「高度プロフェッショナル制度(高プロ)」を、残業時間の上限規制と一本化した労基法改正案を含む「働き方改革関連法案」は先月、厚生労働省の審議会で概要が示され、臨時国会への提出を待つばかりとなっていた。しかし、安倍政権は法案を閣議決定もせずに臨時国会を冒頭解散。論戦は先送りされた。
自民・公明両党は衆院選の公約で長時間労働の是正を掲げながら、「高プロ」の導入には触れていない。規制強化を訴える一方で、規制緩和に触れないのは「争点隠し」ともみられかねない。こうした動きに一部野党は反発を強めている。
枝野氏は16日、横浜市で記者…